議員各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず、令和7年9月定例会議に御参集賜り、厚く御礼申し上げます。
今年の夏は、1898年の統計開始以降、最も暑い夏となり、本市においても35度を超える猛暑日が連日のように観測されました。全国的にも気候変動の影響が顕著に現れ、熱中症による救急搬送件数は過去最多のペースとなっているなど、「異常気象」という言葉だけでは片付けられないほど市民生活への影響は重大なものになってきております。本市では、エアコンの効いた公共施設をクーリングシェルターとして開放する取組みや、市役所本庁舎へのウォーターサーバーの設置のほか、各種SNSを通じて市民の皆様に熱中症への注意喚起を図ってきたところであります。9月に入りましても、厳しい残暑が続き、熱中症の危険は依然として高い状況にあります。特に、高齢者や乳幼児、独居世帯の方々におかれましては、体の異常に気付くのが遅れ、命の危険につながる可能性が高くなります。市民の皆様におかれましては、地域ぐるみでの声掛けなどに御協力をお願いいたしますとともに、こまめな水分補給やエアコンの適切な利用など、日常生活における熱中症予防への取組みを進めていただくようお願い申し上げます。
さて、近年、こうした猛暑だけでなく、全国各地において大規模な地震、豪雨、台風などの自然災害が相次ぎ、市民生活の安全と安心が常に脅かされております。さる7月30日には、カムチャツカ半島付近で巨大地震が発生し、本市を含む県内沿岸部には津波注意報が発表されました。幸い被害はございませんでしたが、遠く離れた地域での地震であっても、津波の危険が生じることを改めて認識させられました。国内に未曽(みぞ)有(う)の被害をもたらした東日本大震災から14年以上が経過し、ともすればあのときの教訓を疎かにしてしまうことがあるかもしれませんが、市民の皆様におかれましては、日頃から避難経路や避難場所を確認するなど、防災意識の向上に努めていただきたいと存じます。
そのような折に、本市では、さる6月24日、徳島防災株式会社より防災用ヘルメットなどを寄贈していただきました。寄贈されたヘルメットは、来庁者の方が地震発生時における落下物から自身の身を守り、円滑な避難のため御利用いただけるよう、市役所本庁舎など市の施設5か所に配備したところであります。
また、本市では今年度から3年計画で全職員に防災用ヘルメットを配備し、災害発生時には速やかに着用の上、迅速に行動できる体制整備を進めていくこととしております。市役所が防災拠点として確実に機能するためには、まず職員一人ひとりの安全確保が欠かせません。このたびの取組みにより、市民の皆様の信頼に応え、迅速かつ的確な初動対応、支援活動にあたることが可能になるものと認識いたしております。
さて、ご承知のとおり、本市の人口は、昭和60年の約44,000人をピークに減少を続け、先月末現在では34,047人と、33,000人台はもう目の前にまで差し迫っております。令和6年度の出生数(しゅっしょうすう)はわずか136人にとどまり、少子化の進行は一層深刻さを増しております。この流れは、あたかも川の水が少しずつ減り、やがて流れを失ってしまうかのような現象であります。
私たちが愛するこの小松島は、今まさに、将来にわたって持続・発展していけるのか、あるいは、自治体として消滅する道を歩むのか、その重大な岐路に立っています。私、そして、各職員は、そうした非常に強い危機感と、市民の皆様及び未来に対する純粋な責任感をもって、一瞬たりとも先送りのできない施策・事業に必死の思いで取り組んでおります。とりわけ、現在、本市が最重要事業として位置付けている「新小松島小学校施設整備事業」並びに「一般廃棄物中間処理施設整備事業」は、これまでの本市が先送りにしてきた課題に対し、まさに危機感と責任感をもって向き合った帰結としての取組みであります。小松島の未来を担う子どもたちのより良い教育環境と、34,000人の市民の皆様の日々の生活に直接関わるごみ処理の安定的運営を早期に実現することは、行政だけでなく、本市の政治にとっても使命であるはずであります。
議員各位におかれましては、本市の置かれたこの切迫した現状を深く御認識していただき、行政が進める各施策につきまして御理解・御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
続きまして、令和6年度決算を踏まえた今後の財政運営に関する認識について申し上げます。
本市の令和6年度普通会計の決算につきましては、歳入総額では、令和5年度決算額から7億6千6百万円増加し、183億7千7百万円、歳出総額においても9億3千7百万円増加し、181億1千6百万円となりました。
歳入については、普通建設事業に伴う国庫支出金や地方債が主な増加要因でありますが、ふるさと応援寄付金については、企業版とあわせた総額が前年度から8千7百万円増の3億6千3百万円となりました。
この成果は、本市が地域の事業者とともに知恵を絞り、小松島の優れた産品等の魅力を発信してきた結果であると認識いたしております。
一方、歳出については、長引く物価高騰の影響と、それに対応した人事院勧告に基づく人件費の増等の影響により、歳入以上に増加いたしました。
これらにより、令和6年度普通会計決算は、実質収支で2億1千7百万円の黒字を維持したものの、ここから前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支、さらに財政調整基金の積立てや取崩し等を加味した実質単年度収支は、ともに1億1千3百万円の赤字となりました。
本年2月の「財政収支健全化集中取り組みプラン」策定の際の見込みよりは上振れした結果となったものの、今後、大型建設事業が具体的に動き出し、公債費等の負担が拡大し出す時期を前に、この規模の実質単年度収支赤字額となったことは、やはり同プラン策定時と同様、深刻に捉えざるを得ないものであり、引き続き、プランに掲げた収支改善に向けた取組みをスピード感をもって推進していく必要があると認識しているところであります。また、今後の先送りできない大型事業を具体化していくには、プランに基づく財政構造の見直しだけでなく、財政負担の大きい事業を中心に、財源の獲得や効率的手法の検討を前提として、優先順位や実施時期を的確に見極めること、そして、市政の優先課題を明確に見据えた上で、選択と集中をさらに徹底していくことも必要になってまいります。
申すまでもなく、現下の市政の最優先課題は、人口減少であります。その課題が待ってくれない以上、厳しい決算、厳しい収支見通しを前にしても、それを乗り越えるための知恵を絞り、市政を前に進めていかなければなりません。プランの実行により、生産性の高い行財政基盤の構築を急ぎつつ、市の未来を見据えた人口減少対策としての施策・事業は時宜(じぎ)を得て効果的に推進していく。そうした方針の下、この困難な局面を乗り越えていく所存でありますので、議会におかれましては、引き続き御理解・御協力を賜りますようお願いいたします。
ここで、1点ご報告があります。
小松島競輪では、さる7月3日から4日間にわたり小松島競輪開設75周年記念阿波おどり杯争覇戦を開催いたしました。全国の競輪ファンや関係者の皆様のご支援のおかげをもちまして、目標を大きく上回る62億円を超える売上を達成することができました。皆様方のご支援にこの場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
さて、小松島競輪ではこれまで、本市にある本場と、吉野川市に設置しておりますサテライト鴨島の2か所の車券売場を運営してまいりましたが、このたび、そのサテライト鴨島について、苦渋の決断ではございますが、令和8年5月をもちまして閉鎖することといたしました。
サテライト鴨島につきましては、平成11年7月に前売専用のサービスセンターとして開所したのち、平成20年2月に滞留型の「サテライト鴨島」としてリニューアルをし、今日(こんにち)まで徳島県内の西部地域における場外車券売場としての役割を務めてまいりました。
競輪事業の売上は、近年、業界全体としては増加傾向にありますが、場外車券売場における売上は減少の一途をたどっております。
コロナ禍における非接触様式の浸透を背景として、スマートフォンなどを利用したインターネット投票が主流となった一方で、直接車券を発売する現地の売場では、利用者が激減しているというのが全国的な傾向であり、サテライト鴨島も同様に、近年、売上が徐々に減少し、入場者数も減少し続けております。
このような中、売上が回復する見通しも立たないことなどから、このたび、閉鎖を決断したものであります。
今後のスケジュールにつきましては、令和8年3月22日まででサテライト鴨島での車券発売を終了し、その後は60日間の払戻期間を設けることとしており、地権者との契約満了を迎える令和8年10月31日までに、施設を解体した上で、地権者に返還することとしております。
長年、サテライト鴨島を支えてくださいました競輪ファンの皆様には、本当に申し訳ない思いでいっぱいでございますが、どうかご理解賜りますようお願い申し上げますとともに、引き続き、本市の競輪事業へのご支援ご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
続きまして、本市が現在推進いたしております主な取り組みの進捗状況等につきまして、報告させていただきます。
まず初めに、「雨水・浸水対策」についてであります。
小松島飛行場周辺対策事業の和田島地区につきましては、防衛省との連携のもと、周辺地域の方々のご協力をいただきながら、浸水被害の抜本的な解消に向け、各種工事の施工に取り組んでおります。
令和7年3月定例会議で当初の既決工期と請負代金額の変更について承認をいただきました電気設備工事のほか、流入渠・仮放流渠築造工事及びポンプ整備設置工事が令和7年7月末に完了したことから、8月から和田島ポンプ場の仮排水を開始しております。
今後も、引き続き、和田島ポンプ場の早期供用に向け、計画的な整備に取り組んでまいります。
次に、「市制施行75周年記念事業」にかかる取組みについてであります。
本市は、来年6月1日、市制施行75周年という節目を迎えます。この記念すべき年に向けて、「ふるさと小松島」を次世代へとつなぐことを大きな柱に据え、歴史や文化を活かした新たな取組みを進めております。
その一つが、児童文学作家・「くすのきしげのり」さん、絵本作家・「武田美穂」さんに御協力いただき、「金長たぬき」を題材とした絵本を制作するプロジェクトであります。この取組みは、子どもたちのふるさとへの誇りと愛着を育むとともに、地域文化を次の世代へとつなぐ象徴的なものになると考えているところであります。このプロジェクトの第一歩として、先日、「くすのきしげのり」さん、「武田美穂」さんのお二人に「小松島市ふるさとアンバサダー」にご就任いただいたところであります。今後、絵本制作をはじめ、本市の魅力を発信していただけることを心より期待しております。
また、この事業を推進するにあたり、長年地域の読書活動を支えてこられた「株式会社平惣」にご尽力をいただいております。「株式会社平惣」には、令和4年度の「絵本ワールド in こまつしま」、令和5年度の「わくわくみなとフェスタ」など、絵本をテーマとしたイベント開催に御協力いただいた御縁もあり、このたび、包括連携協定を締結する運びとなりました。包括連携協定の締結を機に、読み聞かせイベントや生涯学習の推進を通じ、子どもから大人まで幅広い世代が学び合い、地域のにぎわいを創出する契機としてまいります。
次に、「本港地区のにぎわい創出」についてであります。
四国の玄関口としてかつて栄えた本港地区は、本市の歴史と文化を語る上で欠かせない、市民にとってふるさとの象徴とも言える場所であります。その本港地区に今も残る地域資源を活かし、かつてのようなにぎわいを取り戻すことは、本市の誇るべき歴史・文化と、本市の活気ある未来とをつなぐ、特別な意義を持つものであると認識いたしております。
本市は、伝統ある一大イベント「小松島港まつり」に加え、近年は、「みなとマルシェ」や「秋の阿波踊り」など、本港地区を会場とした多彩な催しを開催し、どれも市内外から多くの方々にお越しいただき、ご好評をいただいております。
これらのイベント開催経費の一部につきましては、現在ガバメントクラウドファンディングにより広く御支援を募集しているところであります。すでに寄付をお寄せいただいた皆様には心より感謝申し上げます。
また、ハード面でも、小松島ステーションパーク内における、今年春の「こかげテラス」の整備等に続き、現在本市は、エリア全体のさらなる魅力向上に向け、公園等の施設改修を進めているところであります。
長らく沈滞ムードにあった本港地区ですが、こうしたハード・ソフトを組み合わせた取組みにより、多くの方々に再び注目され、着実に新しい人の流れが生まれてきております。これからも、他のまちにはない、「みなとまち小松島」ならではの魅力を最大限引き出しつつ、それと機能的に連携した、エリア全体を見渡した取組みにより、本港地区の再活性化を推進してまいる所存でありますので、今後の本市の取組みにご期待いただきたく存じます。
本市の主な取組及び事業の進捗状況等は、以上のとおりであります。
それでは、本日提出いたしました議案及び報告案件の主なものにつきまして説明いたします。
本定例会議には、令和6年度決算認定に係る議案9件、令和7年度補正予算議案4件、条例議案6件及び単行議案1件の議案計20件、並びに報告14件を提出いたしております。
議案第64号の令和7年度一般会計補正予算(第3号)につきましては、歳入歳出とも1億1千604万7千円の追加補正であります。
このたびの補正予算は、櫛渕川の護岸改修や川北ポンプ場の設備の故障等に伴う改修等、早急に取り組むべき事業のほか、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、市民の利便性向上のための路線バスへのICOCA導入のための補助金や、公共施設のLED照明への転換を推進することといたしております。
このほか、市税還付金が当初の想定を上回ったことによる市税還付金及び還付加算金の補正、公用施設である本庁舎のLED照明への転換、病児保育を行う施設の開設準備に係る補助金に、所要の補正をいたしております。
これらによりまして、当初からの累計は193億1千881万3千円となっております。
議案第72号の小松島市特別職の指定等に関する条例の制定につきましては、地方公務員法の規定に基づき、市長が指定する直轄の特定重要施策について市長を補佐する特別職を設けるため、条例を制定するものであります。ご承知のとおり本市は、人口減少をはじめ、様々な課題に直面しており、今後さらに政策形成・施策推進に係る体制を強化していく必要があります。そうした状況の中、今後の業務執行体制を見通した場合、新たな特別職の配置も視野に入れる必要がありますことから、このたび、条例の制定を行うこととしたものであります。
その他の議案及び報告案件につきましては、お手元の議案書等に記載のとおりでありますので、御覧いただきますようお願い申し上げます。
十分御審議いただきまして、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。



