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令和8年2月定例会議 市長の議案説明

 議員各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず、令和8年2月定例会議に御参集賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、暦の上では立春を過ぎ、光の春とも呼ばれる季節を迎えましたが、市中を吹き抜ける風には、依然として冬の冷たさが残っております。まさに三寒四温の言葉が示すとおり、寒暖を繰り返しながら一歩ずつ季節が移ろいゆく中、ふと見上げる空の青さや、日ごとに力強さを増す陽光の輝きに、私たちは、間もなく訪れる新しい季節の息吹を実感するものであります。振り返りますと、この冬の寒さはことのほか厳しく、例年以上に春の暖かな日差しが待ち遠しく感じられます。こうした季節の変わり目、市民の皆様が健やかに、そして大きな希望を持って新年度を迎えられるよう、市政を預かる身として万全の備えを期すとともに、本市の将来を明るく照らす新たな取組みを着実に推進していかなければならない。そうした決意を今、新たにしているところであります。
 
 一方、私たちを取り巻く社会に目を向けますと、落ち着く気配を見せない物価高騰や、慢性的な人手不足による社会基盤の脆弱化など、市民の暮らしから企業の経済活動に至るまで、幅広い場面で厳しい状況が続いております。

 また、本市の行財政におきましても、人口減少や少子高齢化をはじめとする社会構造の変化を受け、これまで以上に的確で、時宜を得た対策が必要になってきております。あらゆるものが急速に変化していく今のこの時代にあって、単なる現状維持は、後退を意味します。社会の変容、時代の変化を見極め、将来を見据えた戦略的で機動的な行財政運営を行うことが求められているのであります。

 そうした中、今月3日に総務省が発表した、住民基本台帳に基づく令和7年の人口移動報告では、東京圏など一部の都市を除く40道府県で転出超過となるなど、人口の大都市への集中が依然続いている現状があらためて浮き彫りとなりました。中でも20代から30代にかけた若い世代、そして、男性よりも女性の都市部への転入が目立っており、地方の活力低下につながっているとされております。

 今年、本市は、市制施行75周年という大きな節目を迎えます。戦後間もない頃、港を背景に既ににぎわいを見せていた小松島は、県内3つ目の市、小松島市として産声を上げ、この間、先人たちのたゆまぬ努力のおかげで、今から40年ほど前の昭和60年代には約4万4千人の市民が暮らし、活況を呈していました。エネルギーとにぎわいに満ちていた当時の姿を今なお鮮明に思い出せる方も大勢いらっしゃることと存じます。

 あの時代から時は流れました。当時は夢にも思わなかったようなものが街にあふれ、私たちの暮らしは、より便利に、より安全になったように感じられます。ただ、それにもかかわらず、地方では人が減り続け、本市の今年1月末時点の住民基本台帳人口は約3万3千900人と、ピーク時から1万人、率にして2割以上が減少するという、深刻な状況に陥っております。

 当時に比べ、街に立ち並ぶ建物はより立派に、道路はより広くなりました。しかし、まちの元気さ・活力というものを考えるとき、当時と決定的に違うのは、申すまでもなく、人の数であります。人が住み、人が働き、人が集うところに活力は生まれ、活力があるところに豊かさや幸福感は生まれるものと私は考えています。

 もちろん、人の数だけが多ければいいというわけではありません。このまちに住む方たちが、誰一人として取り残されることなく、安心と将来への希望をもって暮らし続けられるよう、ソフト・ハードの施策を機能的に組み合わせ、効果的に打ち出していくことが求められております。本市ならではの魅力やポテンシャルを最大限生かすと同時に、効果的な施策・事業を的確に打ち出すことで、市民の皆様のニーズの充足と暮らしの質の向上を図る。そのプロセスを着実に積み重ねていく先に、若い方からご高齢の方まで、多くの方々に選ばれるまち・小松島が、はっきりと見えてくるものと強く信じております。

 人口減少対策としての効果も大いに期待される大型建設事業の推進。子育て世代を中心に、全ての世代をターゲットとした施策展開。にぎわいづくり等を通じた本市のブランド力の強化。そして、未来を見据えた、持続可能な行財政基盤の構築。これらを大きな柱と位置付ける、令和8年度当初予算につきまして、これよりその概要等を申し述べます。

 議案第3号の令和8年度一般会計当初予算は、予算総額としては、令和7年度当初と比較して、率にして23.2パーセント増、額にして43億6千207万3千円の増となる、231億3千300万円となっております。新小学校施設整備工事のほか、人事院勧告による人件費の増や、給食費の公会計化等を要因として、これまでの過去最大であった令和7年度当初予算を上回り、2年連続で歴代1位の予算規模となっております。

 学校再編による新小松島小学校施設整備事業につきましては、50億2千391万9千円を計上いたしております。

 新・小松島小学校の建設につきましては、昨年8月の建設工事請負契約締結後、周辺住民の方々や関係各位の御理解と御協力の下、順調に工事が進んでいるところであります。現在は、基礎工事を進めており、一部工区では躯体工事も始まっております。このまま順調に工事が進めば、3月ごろからは順次、校舎棟の1階部分が地上に姿を現し始める予定となっております。

 また、ソフト面におきましても、実務的な準備を進めております。新小学校の象徴となる校章の選定や服装の仕様決定に加え、新たに校歌の制定や通学支援の方法など、新しい学校生活に欠かせない諸事項について、学校再編準備会議などにおいて順次、結論を出してまいります。

 本市が学校再編を通じて目指す「『つながり』により子どもたちが育つ学校」を具現化する新たな校舎は、それ自体が、本市の魅力を向上させ、地域の未来を明るく照らす、意義深い投資であり、また、子どもたちにとって、その大切な時期の多くを過ごす学校での生活を、安心で豊かなものにする基盤となるものであります。本市といたしましては、令和9年4月の開校に向け、引き続き、適切に事業を進めてまいる所存でありますので、関係各位、そして、議員各位の御理解をお願い申し上げます。

 次に、防災対策についてであります。

 行政がその責務を果たす上で最も重要な分野であり、かつ、本市の人口減少を食い止めていく上でも避けて通れないのが、市民の皆様の安全・安心を確保するための施策であります。いかに魅力的なまちづくりが進められていても、その土台に人々の命が守られる強靭さがなければ、移住や定住の増進はおぼつきません。

 今月4日に公表された新たな徳島県南海トラフ巨大地震被害想定では、本市でも、最大ケースで死者数6千100人、建物の全壊・焼失は8千900棟に上るという、非常に深刻なデータが示され、あらためて防災・減災のための取組みを一層加速・強化する必要があると強く認識したところであります。

 現在、本市は、津波到達予想時間までに安全な場所へ避難することが困難な「特定避難困難地域」の解消に向け、和田島北部地区におきまして、約600名の収容が可能な津波避難施設の整備を進めております。完成は今年12月末を目指しているところでありまして、引き続き、適切に工事を進めてまいる所存であります。

 また、大規模災害時の避難者の方々の生活を守る上で極めて重要となる、応急給水体制のさらなる充実にも取り組んでまいります。

 能登半島地震など過去の大規模災害では、断水の期間が長期化し、その間、多くの方々が困難な避難生活を強いられることとなりました。本市では、大規模災害時に市民の皆様の命をつなぐ飲料水を確保するため、市内各所へ計画的に耐震性貯水施設の配備を進めることとしております。令和8年度は、現在建設を進めている新・小松島小学校の敷地内において、新たに耐震性貯水施設を整備いたします。災害時の避難拠点となる学校施設において、この応急給水体制を確立することは、避難生活における衛生環境の維持や安心感の醸成にも直結するものであります。大規模災害という万一の事態に直面した避難者の方々が、できる限り不自由なく、健康を維持しながら避難所生活を送れるよう、引き続き、体制整備を進めてまいります。

 一方、災害時に市民の皆様の命を守る上では、こうした防災インフラを強化すると同時に、迅速な避難を可能とする市民お一人おひとりの健やかな体づくりも重要な要素となります。本市にお住まいの高齢者の皆様は、健康意識が非常に高く、本市が開催しているスポーツイベントや健康関連イベント等に、私も驚くほど積極的に御参加いただいております。日々の健康増進がいざという時に自らの命を守る自助力に繋がります。高齢者の方々の健康づくり・体力づくりを、行政としてもしっかりと支援できるよう、今後も様々な施策を展開してまいります。

 次に、一般廃棄物中間処理施設整備事業についてであります。

 御承知のとおり、本市の現行のごみ処理施設は、稼働開始から40年以上が経過し、老朽化による維持管理上の課題が深刻化しております。新施設の整備は、市民の皆様の生活において一日として欠かすことのできない公共サービスを安定的に継続させるために、行政として最優先で取り組まなければならない課題であります。

 令和8年度におきましては、これまでの検討経過を踏まえつつ、新たな処理技術についての検討を進めてまいります。具体的には、環境への配慮を大前提としまして、技術的整合性の検証や、建設費のみならず、将来にわたるライフサイクルコストにも十分配慮した経済性の再試算を、外部の知見も取り入れながら行ってまいります。これらの結果を踏まえ、本市にとって最適かつ最も合理的で、持続可能な次期施設のあり方について、着実に検討を進めてまいります。

 次に、子育て世代応援プロジェクトによる取組みについてであります。

 学校給食運営事業及び補助事業としまして、令和8年度は、国において新たに創設される市町村給食費負担軽減交付金を活用するとともに、その不足分を市が独自に補填することにより、市内小学校に通う子どもたちの給食費を無償化いたします。また、本事業におきましては、公平性の観点から、アレルギーなどの理由で弁当を持参している子どもたちや、国立・私立小学校などに在籍する子どもたちに対しても、給食費相当分の支援を実施してまいります。さらに、市内の中学校に通う子どもたちの給食費につきましても、保護者の方々の負担軽減のため物価高騰部分の支援を継続してまいります。地元・小松島産の野菜や、オーガニックの米や小松菜などを献立に取り入れ、地産地消による食育にも取り組んでまいります。

 次に、誰一人として取り残されることのない、包摂的な社会づくりのための取組みについてであります。

 高齢化が進む社会への対応としまして、健康長寿に向けた取組みと並行した、日常生活の不安を取り除く細やかな目配りのための施策も欠かせません。一人暮らしの高齢者の方々の日々の安心を支える緊急通報装置貸与事業につきましては、緊急時の24時間体制での見守りをさらに拡充してまいります。また、「小松島オレンジセミナー」や「きらきらシニアフェスタ」といった各種シニア向けイベントを引き続き開催し、人と人のつながりを広げ、お互いを尊重し合える寛容な社会気運の醸成に努めてまいります。

 次に、本市において進められているインフラ整備についてであります。

 人の流れ、モノの流れを円滑化・加速化し、経済、文化、交流、観光など、あらゆる面で本市の価値やブランド力を飛躍的に向上させる「徳島南部自動車道」。その小松島南インターチェンジから阿南インターチェンジまでの区間が、いよいよ来月8日、開通いたします。本事業の推進に多大な御協力をいただきました地域住民の方々をはじめ関係する皆様に、この場をお借りしまして、心より厚く御礼申し上げます。

 去る今月21日には、開通を記念したウォーキングイベントが盛大に開催され、周辺住民の方々だけでなく、市内外で大いに期待が高まっていると実感したところであります。

 今後、北への延伸も含め、残る区間も整備されることで、本市の交通面における長年の課題であった幹線道路の慢性的な渋滞が大幅に緩和されるものと期待されるところであります。そうなることで、豊かな自然に囲まれた、落ち着いた住環境が整いつつ、徳島市中心部へのアクセスも容易であるという本市の利点がさらに際立つことになってまいります。より住みやすく、より活力のあるまちへと進化し続けるため、残る区間の早期整備に向けまして、引き続き、国・県と緊密に連携し、事業を進めてまいります。

 また、本市が選ばれるまちであり続けるため、かつての港町の活気を次の世代へと繋ぎ、小松島の輝きを確かなものとしていく。その鍵を握るのが、海とともに歩んできた本市の歴史と人々の営みの象徴である港であります。徳島小松島港の赤石地区におきましては、これまでに岸壁の延伸や耐震性強化といった拠点機能の拡大が図られてきました。このポテンシャルを最大限に活かし、大型クルーズ船の誘致等、人やモノが集まる港を中心としたまちづくりを戦略的に推進し、港町としてのブランドを確立していく。この市制施行75周年という節目に、その決意を新たにしているところであります。

 以上、令和8年度に本市が取り組む主な事業等について申し述べました。

 変化の激しい時代にあって、行政に求められるのは、直面する行政課題の本質を見極め、将来を見据える視線をもって効果的・効率的に施策を推進していくことであります。

 困難な時代、困難なミッションではありますが、本市には、この小松島を愛する熱い思いと、職務に対する高いモチベーションを持った職員が大勢います。

 私たちが愛してやまないこの小松島を、次の75年へ、活力と誇りとともに繋いでいけるよう、これからも職員一丸となって全力で市政推進に当たってまいりますので、議員各位、そして、市民の皆様におかれましては、引き続き、御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 その他の議案及び報告案件につきましては、お手元の議案書等に記載のとおりであります。このうち、議案第32号の令和7年度一般会計補正予算(第9号)につきましては、(仮称)新小松島小学校施設整備事業に係る建設工事請負契約の変更に関する補正予算でありますが、同工事につきましては、国の負担金を充当しており、本年度中に部分払い検査を行う必要がありますことから、来月3日における先議をお願い申し上げる次第であります。

 本定例会議は、議案説明会から含めますと1か月以上の長丁場となりますが、各提出議案につきまして、よろしく御審議の上、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。

 

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