位置・地勢
小松島市は、徳島県東部の沿岸に位置し、紀伊水道を臨む形で小松島湾を囲むように広がっています。
小松島港という天然の良港を持つ港湾都市として発展し、
かつては「四国の東門」と呼ばれ、四国と関西を結ぶ旅客船などが発着していました。
現在でも、コンテナターミナルや10万トン級のクルーズ船も停泊する四国を代表する港となっています。
市中央部には南北に向かう国道55号線が通っており、
阿波おどり空港や徳島駅からのアクセスも比較的簡単な立地になっています。
市東部の和田島町や横須町、金磯町には美しい海岸線が広がっています。
小松島町の旧フェリー乗り場は、ウッドデッキやボードウォークなど公園施設が併設され、海風を感じられる憩いの場となっています。
さらに、市北部には日峰山が緩やかにたたずんでおり、頂上からは小松島湾の流麗な曲線を一望することができます。
歴史
小松島は古くから狸伝説が多く残る街で知られています。
これは、民話「阿波狸合戦(あわたぬきがっせん)」に由来しており、
忠義深い狸たちが、勝浦川を挟んで一大決戦を巻き起こすという物語です。
戦前から戦後にかけては実写映画化され、
そのヒットを記念して「金長神社本宮」が日峰山中に、「金長神社」がふもとに建てられるほどでした。
そのため、市内のあちらこちらにかわいらしい狸の銅像たちを見つけることができます。
また、小松島は源義経が平家討伐に屋島へ赴いた際に、大阪から最初に上陸した地であるとも伝えられています。
義経にちなんだエピソードが残された場所は「義経ドリームロード」と名付けられ、
彼らの足跡をたどることができます。
自然
北端に連なる日峰山嶺。
東端に豊富な海の幸を産み出す紀伊水道。
海と山に囲まれたこの町では、海の幸も山の幸も豊富で、
季節ごとに新鮮な食材に舌鼓を打つことができます。
市の花「はなみずき」は市民団体による地道な植樹活動の積み重ねにより、
春なると白や薄紅色のかわいい花弁をつけて、市内各所を彩ります。
市の木に制定されているのは、初夏の果実「やまもも」。
櫛渕町を中心に栽培されており、生産量は県内トップを誇ります。
そのまま食べるだけでなく、果実酒やジュースなどにも加工され、夏の味覚として食卓に届きます。
食
海の幸も山の幸も豊富な小松島市には、
郊外に四国最大級の産直市があり、新鮮な野菜や旬の水産物を手に入れることができます。
天然の漁場である紀伊水道で獲れるシラス。
シーズンには和田島町で天日干しが見られます。
全国有数の漁獲高を誇る鱧は、地元漁協で天ぷらやしゃぶしゃぶに。
練り物文化も有名で、竹の風味ごと味わうことができる「竹ちくわ」。
カレーの風味がやみつきになる「フィッシュカツ」は徳島県民のソウルフードです。
菌床しいたけの出荷量も全国有数。
肉厚なしいたけは、煮ても焼いてもジューシーな一品に仕上がります。
おわりに
さて、ここでは小松島市についてほんのさわりだけをご紹介しました。
あとは、みなさんが実際に小松島市を、
見て、
聞いて、
食べて、
体験して、
五感で存分に楽しんでみてください。
みなさんの旅の記憶に、小松島市の風景が残っていただければ幸いです。