憩いの場として整備された人気の展望スポット
標高約192mの日峰山は、中津峰・津乃峰とともに阿波三峰のひとつに指定されている。
北は紀伊水道や鳴門・淡路方面、天気の良い日は和歌山地方も遠望することができる。
山頂には桜の名所としても知られる日峰神社があり、頂上広場には駐車場展望台も完備。市民の憩いの場やドライブコースとしても人気。
住所 | 小松島市中田町 |
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お問い合わせ | 0885-32-3809(小松島市商工観光課) |
コラム
日峰さんとカニ
日峰山の山頂には、日峰神社がある。
享保(きょうほう)の頃、小松島の広い水田の田植えが終わり、農民たちは繁忙期を終え安堵していた。秋の豊作を祈ってちょっと田休みと思ったときである。せっかく苦労して植えた早苗(さなえ)が、ところどころでハサミでちょん切ったように、無残な姿になっているのを発見した。日がたつに従って、その被害が増すばかりである。農民たちは心配して、各部落で協議した結果、みんなが交代で夜、見張りをして、その犯人を探ることにした。ちょうどある月夜のこと、夜が更けるにつれて、どこから出てくるのかわからない、たくさんのカニが、ぞろぞろと這い出してきて、弱い早苗の根元から、「チョキン、チョキン」と激しい音をたてて、切り離していくことが分かった。早苗を切る犯人は判明したが、あまりにも多いカニの襲撃に、これを退治する方法が見つからない。ある者が、「いつもあの高いお山の上から、この田一面をご覧になっている日峰さまに御祈願して、この被害から免れるほかには、よい方策はなかろう。」ということで決定した。そこで、関係の村人一同は、代表者を選んで日峰さまの神前にひざまずき、一生懸命に祈願した。すると不思議にもカニの被害は全くなくなったという。このことがあってから、日峰さまにお願いをするには、カニの絵馬を奉納することになったという。