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令和2年9月定例会議 市長の議案説明

議員各位におかれましては、ご多忙中にもかかわりませず、9月定例会議にご参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。

 さて、新型コロナウイルス感染症が全国で再拡大しており、その影響は未だ衰えを見せません。徳島県内最大のイベントであり、県外から多くの観光客を呼び込んでいた徳島市の阿波踊りが戦後初めて全日程中止となり、本市においても、「小松島港まつり」が中止され、毎年寄港していた大型クルーズ船が今年は寄港を見合わせるなど、このコロナ禍が、様々な面において市民生活や地域経済に少なくない影響を与えているのはご承知のとおりであります。

 県内での感染も、ここにきて急速に拡大しております。市内を含め、複数の感染者集団、いわゆるクラスターが確認されるなど、感染者数は8月以降大幅に増加するとともに、感染経路が不明の方の割合も一定程度あり、県は「とくしまアラート感染拡大注意・漸増」を発動し、注意を呼び掛けています。

 新型コロナウイルス感染症は、誰もが罹患する可能性のある病気であり、その性質上様々な負担を強いられます。その結果、市民の皆様の中には、見えないウイルスへの長期にわたる警戒や、不慣れな生活様式などにより、いわゆるコロナ疲れをお感じの方もいらっしゃることと存じます。しかし、日々の手洗いやマスクの着用、3密の回避、周囲へのちょっとした配慮など、一人ひとりによる、一つひとつの行動や思いやりが、自分や家族、周囲の人々の心と体の健康を守ることに繋がることを、私たちは忘れてはなりません。
 市民の皆様におかれましては、コロナに感染しない・感染させないという心がけのもと、新しい生活様式の実践をはじめ、どうか、引き続き基本的な感染拡大予防策を徹底していただくとともに、正しい情報に基づいた冷静な行動をとっていただきますようお願い申し上げます。

 また、事業者の皆様におかれましては、業種ごとに業界団体が示す「感染拡大予防ガイドライン」に基づいた対策を徹底していただきますとともに、従業員の方の体調管理や、体調に不安を抱える従業員の方が休暇を取得しやすい環境づくりなど、社会全体で感染拡大を予防する取り組みを進めていただきますようお願い申し上げます。

 このコロナ禍は、国民の命や健康と、この国の経済の両方を同時に脅かす、まさに国難であります。本市といたしましては、市民の皆様、事業者の皆様のご協力をいただきながら、一方で、困難な状況に置かれた方々の支援や、市民の皆様の不安の解消に繋がる取り組みを進めるなど、行政としての務めを果たし、この難局を乗り越える決意であります。

 ご承知のとおり、本市では、7月の臨時会議において条例改正の議決をいただき、8月1日、新型コロナウイルス感染症対策や自然災害対策を推進する危機管理部を創設し、迅速に対応を行う体制を整備したところであります。この危機管理部に新設した「新型コロナウイルス感染症対策推進課」では、新型コロナウイルス感染症対策の総合調整を行って業務の効率化や情報の一元化を図り、市民への情報提供や注意喚起を行うとともに、「新型コロナウイルス感染症ワンストップ総合相談窓口」を設置し、これまで事業化してきた市内経済への支援、影響を受ける世帯への手当等について総合的にご案内することによって、手続きの円滑化や対策事業への申請漏れを防ぎ、市民の皆様に必要な施策が行き届く体制を構築してまいります。

 先頃には、体制整備の一環として、庁舎内における感染拡大防止を目的に、市役所1階ロビーにて検温モニターを設置するとともに、マスクを着用されていない来庁者の方へマスクを配布する取り組みを開始いたしました。これに限らず、市民の皆様の安心・安全に繋がる感染拡大防策については、スピード感をもって実施する所存であります。

 コロナ禍の影響を受ける方々への本市独自の支援策も進めてまいります。

 8月21日をもって受付終了となりました国の特別定額給付金につきましては、一人でも多くの方々にお届けすべく、8月に入って再度の案内通知を発送するなどした結果、対象世帯1万7千122世帯のうち、99.6%にあたる1万7千62世帯に対して給付を行うことができました。

 この国の給付金は、今年4月27日時点で本市に住民登録がある方が対象となっており、4月28日以降に出生した新生児については、対象外とされました。本市では、新型コロナ感染拡大による社会環境や生活様式の変容、地域経済の収縮等が子育て世帯の生活にも大きな影響を及ぼしている状況を踏まえ、この困難な状況の中で新生児を育てる世帯を支援するべく、同日以降に出生した新生児につきまして、1人10万円の本市独自の給付金、「新生児定額給付金」を給付することとし、そのための費用を、本日提出いたしました補正予算案の中に盛り込みました。

 また、消費の減退により、厳しい経営を余儀なくされている市内農林漁業者の方々に向けましては、「農林漁業者応援給付金」制度を創設することとしております。この支援制度は、農業関係者におきましては、認定農業者や認定新規就農者等担い手農家、漁業関係者では、漁業用燃油価格安定対策事業の加入者などを対象に、前年より一定基準以上売上等が減少した場合などに、10万円を給付し、事業の継続を支援するものであり、同じくこのたびの補正予算案に費用を計上しております。

 これら支援策につきましては、議会のご承認をいただきましたら、速やかに執行してまいる所存です。

 新型コロナウイルス感染症について、局面転換になり得るワクチンや治療薬の開発は世界各地で進められておりますが、この状況は、ある程度の長期化を想定する必要があると認識しております。一方、「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」といった言葉も生まれておりますが、この事態を大きな転機として、生活や社会、経済の仕組みをより効率的で、これからの時代に適合したものに改めていく必要がございます。

 この難局の中で見えてきたものの多くは、私たちに、今までの当たり前をもう一度見つめ直すよう迫っています。ただ、それは、捉えようによっては大きなチャンスでもあります。新たな発想を通じて、本市の発展に向けた取り組みもまだまだ良くなる余地があります。初めは小さな取り組みからでも、それらが積み重なり、発展することで、アフターコロナ、さらには、人口減少時代の中に道を切り開く施策が生まれる可能性もあります。

 なかでも、私の公約の一つとして掲げてまいりました「市役所を変える」施策として、8月中旬より実施しております、市長と職員一人ひとりが面談する「未来トーク」では、職員が普段、業務のなかで感じている課題や改善策などを忌憚なく私にぶつけてもらうことで、その提言が新たな施策の実施や業務改善等に繋がるものと感じております。

 こうした取り組みを通じ、本市が目指す「新しい小松島」の実現に向け、今後、様々な施策に取り組んでまいる考えでありますので、議員各位におかれましては、ご理解を賜りますようお願いいたします。


 令和元年度決算を踏まえた今後の財政運営に関する認識について申し上げます。

 本市の令和元年度普通会計の決算につきましては、歳入面におきまして、市税の徴収率が99.1%と、前年度より0.5ポイント改善したこと等により、経常一般財源総額では平成30年度より8千万円あまりの増収となっております。

 歳出面におきましては、社会保障費である扶助費の増加や特別会計に対する繰出金の増加、また、継続的に実施している投資的事業費の増加により、前年に比べ歳出総額で4億9千万円余り増加いたしております。

 このような状況において、単年度収支としては5千376万3千円の黒字となりました。交付税措置のある有利な地方債の活用をはじめ、積極的な財源の確保に努めたところではありますが、それでもなお不足する財源について、財政調整基金及び減債基金を活用せざるを得ず、総じて厳しい決算状況となったと認識しております。

 今後においても、さらなる新型コロナウイルス感染症対策はもとより、「日峯大神子広域公園(脇谷地区)整備事業」や「小松島飛行場周辺洪水対策事業」など継続的かつ大規模な事業のほか、老朽化が進む公共施設等の長寿命化や再配置など、自治体にとっての過渡期ともいえる時期を乗り切るための取り組みについても進めていく必要があり、投資的事業への財政出動が続くことが想定されるところであります。

 こうしたことから、今後の国の政策動向や地方自治を取り巻く諸状況の変化などを勘案しつつ、中長期的な視点に立ち、安定的な財政基盤を構築するために、速やかに新たな行政改革プランを策定することを予定いたしております。その上で、なお一層計画的な行財政運営に努めると共に、メリハリのある施策の推進を行ってまいる所存であります。


 続きまして、本市が現在推進いたしております主な取り組みの進捗状況等につきまして、ご報告させていただきます。

 最初に、雨水・浸水対策についてであります。

 公共下水道事業につきましては、浸水防除を目的に、現在、川北地区の小松島雨水ポンプ場の集水区域拡大を図るため、枝線水路の整備工事の発注に向け、取り組みを進めているところであります。

 小松島飛行場周辺洪水対策事業につきましては、和田島地区においては、基幹施設である雨水ポンプ場の地下部分にあたる工事を実施するとともに、ポンプ場建設に係る工事の発注に向け、取り組んでおります。日の出内水地区においては、ポンプ場施設の建設工事の発注及び放流排水管築造に係る用地取得に取り組んでいるところであります。


 続きまして、四国横断自動車道についてであります。

 小松島・阿南間につきましては、本市区間における用地取得はすべて完了しており、本年度は羽ノ浦トンネルをはじめとする工事に着手しているところであります。立江櫛渕・阿南間の先行供用に繋がる立江櫛渕・地域活性化インターチェンジにつきましては、一日も早く完成できるよう、徳島県と連携してまいります。

 津田・小松島間につきましては、江田地区及び中田地区において地権者や地元関係者の皆様のご協力のもと、全ての用地取得が完了したところであります。

 また、四国横断自動車道に関連する周辺対策事業につきましては、国の交付金事業や徳島県の補助金事業を活用し、江田、前原、田浦、新居見、田野の各地区におきまして、道路や排水路等の整備に取り組んでいるところであります。

 今後におきましても、四国横断自動車道の早期の完成が図られるよう、国・徳島県をはじめとする関係機関、地域の皆様との連携を深めながら、本市としても積極的に協力してまいります。


 続きまして、日峯大神子広域公園(脇谷地区)整備事業についてであります。

 本事業につきましては、現在、文化財保護法に基づく本格的な発掘調査の実施に向けた準備作業を進めるとともに、野球場などの既存施設の撤去工事の発注に取り組んでいるところであります。
 
 今後、公園整備が本格化していくことから、民話「阿波のたぬき合戦」をモチーフにした施設の在り方についても、引き続き所有権の特定調査を進めるとともに、本市の貴重な文化観光資源としての価値など、多角的な視点から、関係機関と協議を進め、できるだけ早く、その方向性をお示ししたいと考えております。


 続きまして、健康増進についてであります。

 去る8月25日、本市と大塚製薬株式会社との間で、健康増進に関する包括連携協定を締結いたしました。

 本市は、今年8月1日時点で人口約3万7千人のうち、高齢者人口1万3千人弱となっており、高齢化率が34.5%を超えております。高齢化率の上昇は、今後も一定程度見込まれており、これに伴う介護給付費、医療費の増大防止の観点から、本市では介護予防事業の展開や特定健康診査の受診率向上等、健康寿命の延伸に取り組んでいるところであります。

 そのようななか、本市の取り組みと大塚製薬の「研究開発等で得られた知見を活かし協働して地域の課題解決に貢献したい」との意向が一致し、今般の包括連携協定に至ったものであります。

 現在、協定に基づいて市民が主体となる健康増進や生涯を通したスポーツ活動の推進等、連携施策について協議を行っているところであります。

 同社の知見やノウハウ等によりご助力を頂きながら、今後さらに、本市の市民サービス向上や健康寿命の延伸に向け、取り組んでまいります。

 本市の主な取り組み及び事業の進捗状況等は、以上のとおりであります。


 本定例会議には、令和元年度決算認定に係る議案、令和2年度補正予算議案、条例議案、単行議案の議案17件、報告9件を提出いたしております。

 また、会議期間中に追加提出予定の議案もございますので、あらかじめご了承をいただきたいと存じます。

 議案第82号から議案第90号までの令和元年度小松島市一般会計及び各特別会計、水道事業会計の決算の認定につきましては、令和元年度の決算が確定いたしましたので、その結果に監査委員の意見を付し、議会の認定をお願いするものであります。


 議案第91号の令和2年度小松島市一般会計補正予算(第5号)につきましては、歳入歳出とも2億5千891万8千円の追加補正であります。

 歳出の主なものといたしましては、新型コロナウイルス感染症対策関連予算として、前段申し上げました「新生児定額給付金給付事業」及び「農林水産業者応援給付金事業」について新たに予算化を行ったほか、既に実施いたしております事業者応援給付金事業につきましても追加の補正を行っております。
 
  そのほか、普通建設事業といたしまして、小松島老人いこいの家駐車場整備事業、日峯・大神子広域公園(脇谷地区)整備事業に伴う市営グランド遺跡発掘調査事業、川北排水機場設計業務委託事業等について、所要の補正をいたしております。

 補正予算の財源といたしましては、普通交付税とともに発行可能額が確定した臨時財政対策債の増額分を一般財源の原資とし、特定財源といたしましては、事業関連経費の国・県支出金をはじめ、森林環境整備基金繰入金及び適債事業に係る地方債を計上いたしております。

 これらによりまして、当初からの予算総額の累計は206億5千843万9千円となっております。


 議案第92号の令和2年度小松島市競輪事業特別会計補正予算(第2号)につきましては、歳入歳出とも1千100万円の追加補正でありまして、ガールズ競輪開催に備えた選手宿舎の設計業務委託料のほか、施設整備に伴って、本年度下半期の小松島市営競輪の開催を高松競輪場をお借りして実施することにより必要となる経費を歳出予算の組み替えにより対応するため所要の補正を行うものであります。


 議案第93号の小松島市後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例及び議案第94号の小松島市介護保険条例の一部を改正する条例につきましては、租税特別措置法の一部が改正され、延滞金に係る文言が改められたことから、同法を引用する条項につき所要の改正を行うものであります。


 議案第95号の小松島市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例につきましては、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準が改正されたことに伴い、同基準に基づき定めている本条例を改正することとし、家庭的保育事業者等における連携施設確保義務の緩和等の改正を行うものであります。


 議案第96号の訴えの提起につきましては、本市が貸し付けた住宅新築資金等貸付金に関して、徳島地方裁判所に相続人及び連帯保証人を被告として貸金の返還等を求める訴えを提起することについて、議会の議決を求めるものであります。


 議案第97号及び議案第98号の権利の放棄につきましては、債権回収業務を行っている住宅新築資金等貸付金のうち、これ以上の回収が困難となった債権を放棄することについて、地方自治法第96条第1項第10号の規定に基づき、議会の議決を求めるものであります。


 報告第19号の令和元年度小松島市健全化判断比率の報告につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定に基づき、財政の健全度の判断指標となる健全化判断比率につきまして、監査委員の意見を付して報告するものであります。


 報告第20号及び報告第21号の令和元年度小松島市公共下水道事業及び小松島市水道事業の資金不足比率の報告につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定に基づき、各事業の資金の不足比率に監査委員の意見を付して報告するものであります。


 報告第22号の令和元年度小松島市土地開発公社決算の報告につきましては、小松島市土地開発公社の令和元年度決算について、地方自治法第243条の3第2項の規定に基づき、議会に報告するものであります。


 報告第23号から報告第25号までの放棄した債権の報告につきましては、住宅新築資金等貸付金につき小松島市債権管理条例第14条第1項の規定に該当する債権を放棄したので、同条第2項の規定に基づき、議会に報告するものであります。


 報告第26号の専決処分による損害賠償額の決定の報告につきましては、公用車運転中に発生した物損事故につきまして、その損害賠償の額を専決処分により決定いたしましたので、議会に報告するものであります。


 報告第27号の専決処分による訴えの提起の報告につきましては、市営住宅使用料の滞納者の連帯保証人につき、支払督促の申立てを行ったところ、同人からの督促異議の申立てにより訴訟係属することとなったことから、保証債務履行の訴訟提起を専決処分により決定いたしましたので、議会に報告するものであります。


 以上、本日提案いたしました議案及び報告案件につきまして、概要をご説明いたしました。よろしくご審議のうえ、原案どおりご賛同賜りますようお願い申し上げます。

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