HOME市議会議案・議決結果等令和5年3月定例会議 市長の議案説明

令和5年3月定例会議 市長の議案説明

 市長の議案説明

 

 議員各位におかれましては、ご多忙中にもかかわりませず、令和5年3月定例会議にご参集賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、この冬は、県内でも昨年末に大雪が降るなど、寒さが厳しい日もありましたが、3月に入り、日射しにも、少しずつ春の光が感じられるようになってまいりました。

 近ごろは、市内を歩いておりますと、あちらこちらで桃の花が開き、春の訪れを感じさせてくれます。

 新型コロナウイルス感染者の国内初確認から4度目の冬が終わろうとしています。

 この冬も、県内では、1日の感染者数が一時、2千人を超えるなど、感染が広がりました。

 一方、年末年始には、2年続けて実施された行動制限もなく、コロナ禍前の風景が戻ってきた場面も見られました。

 国による新型コロナへの対応も、大きな転換点を迎えようとしています。

 ウイルスに関する知見の蓄積が進むとともに、オミクロン株への置き換わりに伴い、一時に比べ、重症化率や死亡率が大きく低下していることを踏まえ、去る1月27日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は、今年の5月8日をもって、感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザなどと同じ、「5類感染症」へ移行する方針を決定しました。

 新型コロナは依然強い感染力を有しており、油断のならない感染症であることに変わりはありませんが、病原性の評価等、専門家の意見も踏まえたうえで、岸田総理も発言されているように、平時の日本を取り戻す、その大きな一歩として、このたびの方針が決定されたものであります。

 「アフターコロナ」という新たな段階を迎えようとしている中、本市も、今のこの時代を的確に捉え、未来へつながっていく施策に、これまで以上に力を注いでいかなければなりません。

 こうした認識に立って編成した令和5年度当初予算は、安定した市政運営の前提となる財政の持続可能性に配意しつつも、今打つべき施策、とりわけ、人口減少に歯止めをかけるための施策について重点的に予算化を行うとともに、他市の後を追うのではなく、本市が先を行く施策にも積極的に取り組むための予算といたしました。

 このため、一般会計の予算総額としては、令和4年度当初から2.1パーセント増の164億8千500万円としたところであります。

 中でも、人口減少に歯止めをかけるための施策につきましては、あらゆる世代の市民の皆様にとっての「住む街としての価値」を高めるという視点に立ち、「子育てのしやすさ」や「健康」、「あそび」、「スポーツ」など、多様な価値観を踏まえ、多面的に予算措置を行いました。

 さらに、現在、地球規模での大きな岐路にあるとされる環境問題、市民の皆様の利便性向上と行政のリソースの再配置につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)の分野にも重点を置いたところであります。

 人口減少対策の中心となる「子育て支援」につきましては、令和4年度に始動した、横断的・重層的子育て支援施策「小松島市子育て世代応援プロジェクト」をさらに推進・拡大し、子育て世代の経済的負担の軽減はもちろん、親子が共に安心して過ごせる空間の整備等も進めてまいります。

 新規事業である「水稲農家と子どもたちのための地産地消事業」では、JA東とくしまを通じて市内の水稲農家の方々から令和5年産の新米を購入し、育ち盛りである小・中学生の子どもがいらっしゃる家庭に玄米30キログラムを提供いたします。

 子育て世帯の家計応援、食育推進といった効果のほか、市内水稲農家の方々の支援としての機能も果たすこととしております。

 同じく新規事業の「学校給食費支援事業」では、食材価格の歴史的高騰が続く中においても、子育て世帯に追加の給食費負担をお願いすることなく、子どもたちに栄養価が高く、質の良い学校給食を提供し続けるため、価格高騰分の補填を行います。

 「利用者支援事業」は、保育所等に通っていない「無園児」と呼ばれる子どもたちとその家庭を対象とした、子育ての悩み解消のための支援について、これまでの家庭総合支援拠点及び母子健康包括支援センター「おひさま」による相談に加え、和田島地区に新たに開設する「児童福祉センター」においても実施することとし、利用者支援専門員と保育士による丁寧で専門的な支援を行ってまいります。

 親子で遊べる空間の整備につきましては、「ステーションパークの整備」に本格的に着手してまいります。

 「みんなで歴史と遊ぶ市内随一の遊具広場」をコンセプトに、障がいの有無にかかわらず楽しむことのできるインクルーシブ遊具の設置と、駐車場の整備を行うことで、子どもと保護者が安心して思いっきり遊ぶことのできる施設へのリニューアルを図ります。

 あらゆる世代の「健康」を考えた施策にも、さらに力を入れてまいります。

 幸せの土台となるのは、いつの時代もやはり心身の健康であり、健康を望まない方はいらっしゃいません。

 若い方々からシニア世代の方々まで、それぞれのライフスタイル等に合わせた、「健康」につながる事業を展開してまいります。

 まず、「『おしゃれまち』こまつしまの推進」と銘打ったパッケージ施策では、化粧品メーカー等とタイアップした、新社会人や子育て中の方々を対象とした「おしゃれ講座」を開催することで、「おしゃれ」をすることによる内面からの健康づくりにつないでまいります。

 また、シニア世代の方々に向けましては、健康と美容をテーマにしたイベントを開催し、フレイル予防などの健康づくりや交流の促進を図るとともに、美容や口の健康を通じた、からだの機能低下を予防するための講座を開き、いきいきとした心とからだの維持を図ってまいります。

 「本港地区活性化事業」では、本港地区を「新しい小松島」の発信源とするための「本港地区基本構想」に基づき、令和5年度において、新たな交流施設整備の基本計画を策定いたします。またあわせて、民間活力の導入や官民連携を視野に入れた「PPP/PFI導入可能性調査」にも取り組んでまいります。

 この新たな交流施設につきましては、運動、学び、趣味など、世代を超えた多様なニーズに対応できる複合的な機能を有する施設とし、健康づくりと生きがいづくり、両方の拠点となるよう取り組んでまいる考えであります。

 「免疫力向上事業」では、令和4年度、お散歩アプリ「こまポンウォーク」を開発しました。

 この「こまポンウォーク」は、日々のウォーキングの歩数等に応じてポイントが貯まり、市内の登録店舗で利用可能なクーポンと交換できるというアプリでありますが、令和5年度は、利用者の方がクーポンを利用した際の登録店舗への負担金等を予算措置し、事業の拡大を図ってまいります。

 昨年11月に開催いたしました第2回「小松島『逆風』ハーフマラソン大会」は、ランナーの方々などから、大変な好評をいただきました。

 短いコースや関連イベントも含め、この大会が多くの方々の健康と、本市のにぎわいにつながるよう、昨年からの改良等も行いながら、準備を進めてまいります。

 「環境問題」については、既に多くの国際機関等が警鐘を鳴らし続けており、行政、事業者、個人を問わず、それぞれが将来世代への責任として、今、解決に取り組まなければならない課題であります。

 このうち、脱炭素社会への取り組みとしましては、「地球温暖化対策実行計画」を改訂し、自治体として、温室効果ガスの排出抑制と環境負荷の低減を一層推進してまいります。

 また、引き続き、市内の街路灯や小学校体育館の照明設備のLED化を進めていくとともに、新たに、サウンドハウスホールの電動式移動観覧席の通路灯についてもLED化を行い、エネルギー消費のさらなる抑制を図ります。

 環境に配慮した持続可能な農業の推進に関しましては、先月19日、本市は中四国の自治体で初となる「オーガニックビレッジ宣言」を行いました。

 「オーガニックビレッジ」とは、農林水産業における二酸化炭素排出量の実質ゼロ化などを目指す、国の「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、有機農業に地域ぐるみで取り組む市町村のことであります。

 本市はこれまでも、関係機関や市内の有機農業者の方々のご協力をいただき、生物多様性農業・有機農業を先進的に推進してまいりましたが、令和5年度は、新しく行ったこの宣言の下、「環境保全型農業直接支払事業」や「生物多様性農業推進事業」に取り組み、明るい未来につながる農業を実現してまいります。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)もまた、時代の要請であり、そして同時に、市民サービスと行政運営の大きな変革につながる重要な取り組みであります。

 令和5年度は、「コンビニ交付サービス導入事業」としまして、マイナンバーカードを利用した、コンビニ等での住民票及び印鑑登録証明書交付サービスを開始いたします。

 これによりまして、全国どこでも、24時間365日、住民票や印鑑登録証明書を受け取れるようになり、市民サービスの大幅な向上が期待されるところであります。

 学校教育の場では、児童生徒一人ひとりの理解度やつまずきを解析し、それぞれに適した学習課題を出題する「AI型ドリル」を市内小中学校に導入し、学習効果の一層の向上につなげてまいります。

 そのほかにも、「道路情報管理システム」や「被災者生活再建支援システム」、「粗大ごみ受付管理システム」など、従来、書面を前提としていた手続きがオンラインで手軽にできるようになる、あるいは、市職員の事務負担が軽減されることで他の業務に力を注ぐことができるようになるといった「デジタルの力」を有効に取り入れるための事業を積極的に進めてまいることとしております。

 以上、令和5年度において本市が取り組む主な事業等について、説明いたしました。

 本市の輝く未来を思い描くとき、その手前には、現在、本市にお住まいのあらゆる世代の市民の皆様が、「小松島市に住んでいてよかった」という満足感の中で充実した毎日を送ることができる。そういう「今」が必要となります。

 令和5年度も、これら事業の着実な推進により、輝く未来につながる価値を確実に形にしていく決意であります。議員各位におかれましては、引き続きご指導賜りますようお願いいたします。

 さて、前段、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、新型コロナ感染症の、いわゆる「5類移行」の方針が決定された旨申し上げました。

 私が市長に就任させていただいた当時を思い起こしますと、新型コロナの感染が国内でも拡大し、市民生活や地域経済が一部麻痺状態となるなど、深刻な影響が及んでおりました。

 私自身、こうした当時の状況を直に見、直にお聞きする中で、経済的苦境に置かれた多くの市民の方々と痛みを共にするとともに、市のコロナ対策の財源の一部としたいとの思いで、年度末までの市長給料を50パーセント減額するための条例改正をお認めいただきました。

 その後も、その時々のコロナ禍の状況を踏まえ、1年ごとに延長し、現在までこの措置を継続してきたところであります。

 一方、国内のコロナ対策については、5類移行に伴い、政府や都道府県の対策本部は廃止となるほか、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき実施されていた緊急事態宣言や外出自粛要請等の行動制限も行われなくなるなど、制度上においても、国民生活上においても、大きな転換点を迎えます。

 こうした現下の客観的状況にかんがみ、私自身も、5類に移行する5月8日を節目と捉え、市長給料の50パーセント減額措置を現行規定から延長しつつ、その期間を5月7日までとすることとし、本定例会議に関係の改正条例案を提出させていただいております。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。

 続きまして、本市が現在推進しております主な取り組みの進捗状況等につきまして報告させていただきます。

 まず初めに、小学校再編についてであります。

 学校再編を進めるにあたり、私自身も、教育委員会へ「変化する社会の中でも柔軟に対応でき、社会や地域とつながりを持ちながら、よりよい社会と人生を自ら作り出すことのできる子どもを育ててほしい。」との思いを伝えています。

 学校再編は、教育委員会だけで取り組むものではなく、市を挙げての一大プロジェクトであることを、常々、各部署に伝えており、職員一人ひとりが我が事として学校再編を捉えながら、業務を進めているところです。

 また、市職員だけでなく、各学校の保護者や地域の方、学校関係者のご参加のもと、教育内容や通学路、また、地域との関わりなど、学校再編準備会議や専門部会を開催し、協議を進めていただいております。

 令和4年度中に策定予定であります、新しい学校の基本的な考え方を整理した「小松島市新小学校施設整備基本計画」に基づき、今後も、全庁一丸となって、社会全体で子どもたちが育つ学校の実現を目指します。

 続きまして、観光振興についてであります。

 昨年10月、市制施行70周年記念事業として、本港地区一帯において「こまつしま秋の阿波踊り」を開催し、2千人余りの観客で賑わいました。

 大変好評であり、来年も開催してほしいとの声も多くいただいたことから、令和5年度も継続して開催し、秋の一大イベントとして定着を図ります。

 「大型クルーズ船等の誘致」につきましては、新型コロナ感染拡大の影響により抑制されていた、インバウンドの観光客受け入れやクルーズ船の運航が徐々に再開されているところであります。

 本市も時機を捉え、ポートセールスを行った結果、今月17日、大型クルーズ客船「ウエステルダム」が本市に初寄港することとなりました。

 当日は、多くの外国人を含む乗船客の方々に向け、特産品の販売や阿波踊りによるおもてなしを行うほか、市内循環シャトルバスを運行し、本市の食や文化を楽しんでいただくこととしております。

 今後におきましても、経済効果が大きい海外からのクルーズ船などを呼び込むため、民間事業者のノウハウを活かした寄港誘致に取り組み、快適な観光の提供等を通じて、訪日外国人旅行客の満足度向上、ひいては地域への経済効果の最大化を図ってまいります。

 続きまして、日峯大神子広域公園(脇谷地区)整備事業についてであります。

 本事業につきましては、市民の憩いや散策、レクリエーション等の賑わいと多様な利用形態により公園の魅力創出を図るため、阿波の狸合戦「金長たぬき伝説」をモチーフとした文化教養施設を新たに加えた空間構成の見直しを行いました。

 令和5年度は、現在、発注手続き中の高台広場の基礎工事を進めるとともに、駐車場等の公園施設整備に着手します。

 続きまして、雨水・浸水対策についてであります。

 防衛施設周辺洪水対策事業につきましては、和田島地区及び日の出内水地区の浸水被害の抜本的な解消に向け、防衛省と連携するとともに、地域のご協力をいただきながら、浸水防除の基幹施設の整備に、引き続き取り組みます。

 和田島地区におきましては、これまでに土木工事及び建築工事を完了し、現在進めております機械設備工事とともに、令和5年度は電気設備工事に着手します。

 日の出内水地区におきましては、電気・機械設備及び放流渠工事が完了し、今月から暫定的にポンプの運転を開始するとともに流入渠工事を進めているところであり、令和5年度は、更なる浸水被害の軽減に向けた取り組みを推進いたします。

 続きまして、高速道路対策事業についてであります。

 国が整備を進める徳島南部自動車道につきましては、徳島沖洲インターチェンジ・徳島ジャンクション間の供用により南に向けた整備が一層図られているところであります。

 本市区間では、小松島インターチェンジ周辺において橋梁の上部工が進み、その姿がはっきりと見えてきたところであり、新居見トンネルなどの大型構造物の工事も進められているところであります。

 また、立江・櫛渕インターチェンジ周辺においても、橋梁の下部工事が進められるなど、高速道路のストック効果の早期発現に向け取り組んでいただいております。

 本市におきましても、国及び県と連携し、引き続き、円滑な事業推進に全力で取り組んでまいります。

 続きまして、ごみ処理施設整備についてであります。

 令和4年12月定例会議の中でも報告申し上げましたとおり、事業主体でありました徳島市が「広域ごみ処理施設整備計画」から脱退する意向を示したことにより、広域協議に参加しておりました各市町が、各々最善の方法を模索していくとの結論に至っております。

 こうした経緯を踏まえ、本定例会議では、本市と徳島市との間における、一般廃棄物の処理に係る事務委託の廃止に関し、協議するための議案を提出しているところであります。

 本市といたしましては、現ごみ処理施設の老朽化が進み、一刻の猶予もない状況に置かれていることにかんがみ、速やかに、本市としてのごみ処理施設整備の方針をお示ししたいと考えております。

 施設整備に係る基本構想策定に向け、現在、令和4年度中の委託業者の選定作業を進めているところであります。

 また、新年度早々に有識者による検討委員会を立ち上げ、最新の技術的動向も踏まえつつ、安全・安心で、環境にやさしい処理方式も含め、本市に適した処理方式や建設候補地等を検討し、令和5年度中の策定を目指してまいりますので、ご理解・ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

 それでは、本日提出いたしました議案及び報告案件の概略につきまして説明いたします。

 本定例会議には、令和5年度当初予算及び令和4年度補正予算の予算議案15件、条例その他の議案18件の計33議案、報告4件を提出いたしております。

 なお、議案第30号及び議案第31号につきましては、小松島競輪場における女子選手対応宿舎新築工事に関して、新たな追加工事が必要となりますことから、請負金額変更の契約を行うにあたっての議会の議決をお願いするものでありますが、現在中断しております工事を一日も早く再開する必要から、本日の開会日における先議をお願いするものであります。

 また、議案第32号の令和4年度小松島市一般会計補正予算(第9号)につきましては、今月末を持って早期退職などにより退職する職員の退職手当や協定路線運行補助金など地方バス路線の維持にかかる補助金のほか、農林水産費及び土木費の県営事業に係る負担金や国民健康保険特別会計への繰出金などについて予算措置をいたしております。

 これらによりまして、補正総額は2億円となり、当初からの予算総額の累計は184億4千万円となっております。

 その他の議案及び報告案件につきましては、お手元の議案書等に記載のとおりでありますので、ご覧いただきますようお願い申し上げます。

 よろしくご審議のうえ、原案どおりご賛同賜りますようお願い申し上げます。

 

このページの先頭へ