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令和5年9月定例会議 市長の議案説明

 市長の議案説明

 

 議員各位におかれましては、御多忙中にもかかわりませず、令和5年9月定例会議に御参集賜り、厚く御礼申し上げます。

 今年の夏は、新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行したことなどにより、各地でまつりや花火大会などの大規模イベントが4年ぶりに通常開催され、社会が一気にコロナ禍前の賑わいを取り戻し始めたように感じられます。

 一方、今年の夏は、「地球沸騰化時代」と形容されるように、猛暑を通り越し、酷暑の日が続いています。

 こうした状況を踏まえ、本市では、エアコンの効いた公共施設を開放し、市民の皆様が熱中症にならないようにするための取組を行っております。

 市民の皆様におかれましては、こうした取組を御利用いただき、また、水分補給なども適切に行いながら、9月に入りましたが、引き続き、熱中症にはくれぐれも御注意いただきたいと存じます。

 

 さて、近年、多くの災害や異常気象が増える中、本市では、激甚化・頻発化する豪雨や大型台風の襲来などへの備えとして、ポンプ場整備等の排水対策を推進しておりますが、あわせて、いざ発災時に市民の安全を守るべき市役所の職員が的確な初動をとり、市役所機能を維持・確保することの重要性も認識しております。

 こうした中、本市では、先月24日、災害発生時に迅速かつ安全に避難することを目的に、南海トラフ地震を想定した本庁舎津波避難訓練を実施いたしました。

 訓練では、震度6強の大規模地震が発生し、県内沿岸に大津波警報が発令されたとの想定で、職員約130人が来庁者の安全確保や負傷者の搬送をはじめ、実際の避難誘導の方法を確認しました。

 南海トラフ地震によって多くの人的・物的被害が想定されている本市においては、いざという時に備え、災害時の対応や災害に備えてするべきことをあらかじめ実践的に知っておくことが大切であります。

 私を含め、職員一人一人が日頃から防災意識をしっかりと持ち、今回の訓練の中で出た課題等を改善し、今後の災害対策・対応に活かしてまいります。

 

 続きまして、令和4年度決算を踏まえた今後の財政運営に関する認識について申し上げます。

 本市の令和4年度普通会計の決算につきましては、歳入総額では、令和3年度決算額から10億400万円余り減少し、約178億8千4百万円となり、歳出総額においても、9億円余り減少し、約171億9千9百万円となりました。

 市制施行以後初めて、歳入・歳出ともに200億円を突破した令和2年度決算から、令和3年度に引き続き、2年続けての減少となりましたが、それでもなお、平成27年度から令和元年度までの5年間における歳出総額の平均が約161億5千5百万円であることから考えると、依然として大きな決算規模となっております。

 コロナの影響の落ち着きにより、経済活動には回復の兆しが見え始め、市税収入においては、5千万円の落ち込みを見せた令和3年度から回復し、令和4年度は、令和2年度とほぼ同額となる、約45億5百万円となりました。

 また、歳出においては、新型コロナ対策として、各種補助金や交付金の支出はあったものの、扶助費や公債費の減少により、歳入総額から歳出総額を単純に差し引いた形式収支においては、約6億8千5百万円の黒字となりました。

 ここから翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支と、昨年度の実質収支との差である単年度収支では、決算状況に鑑みた地方債の借り控えなどにより赤字とはなったものの、財政調整基金への積立や、繰上償還を加味した実質単年度収支については、約3億1千700万円の黒字となりました。

 加えて、地方債残高についても、令和4年度末現在で約157億7千400万円と、令和3年度末から5億6千700万円余り減少し、財政調整基金及び減債基金の基金残高は、昨年度の約14億5千800万円から約17億6千400万円へと3億円余り増加しました。

 このように、令和4年度は、比較的堅調な決算でありましたが、国においては、「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる「骨太の方針2023」の中で、「新型コロナウイルス感染症の感染症法における位置付けの変更を踏まえて、地方財政の歳出構造について平時に戻す。」との方針が示されていることを踏まえますと、今後も必要となる新型コロナ感染症対策のための財政需要については、財源を伴わないおそれも十分に想定されるところです。

 さらに、本市におきましては、今後、「2025年問題」とも呼ばれる超高齢社会への対応をはじめ、大規模災害への備えや医療、福祉、教育などの充実、また、市を挙げての大規模プロジェクトであります「小学校再編事業」や「本港地区活性化事業」の推進等、あらゆる世代の方々の思いに応えられる、持続可能で、かつ、明るい未来を築くための施策に積極的に取り組んでいく必要があります。

 こうした信念の下、引き続き、国の政策動向や地方自治を取り巻く諸状況の変化などを機敏に捉え、中長期的な視点に立ち、必要な事業の計画的な実施に努めるとともに、財源確保を図り、場合によっては財政調整基金を弾力的に活用することで、安定した行財政運営に取り組んでまいります。

 

 続きまして、組織の活性化を図るため、職員の意欲や能力の向上などの人材育成についてであります。

 前段申し上げました、待ったなしの諸課題に対応するためには、幹部職員だけでなく、全ての課の職員が、本市の行財政全体を俯瞰する意識を持ち、より一層、スピード感をもって、各種事業を精査しながら実施していくことが何より重要であると考えております。

 特に、部・課長と実務担当者とのパイプ役にとどまらず、政策の立案や他課との調整役など、管理職として、また、職場の中核として、様々な役割が求められている課長補佐の職員には、私自身、「それぞれの立場で「自分ごと」と捉え、広い視野と柔軟性を持ち、積極的に行政課題に挑戦してほしい」と、常々、伝えているところであります。

 先月には、課長補佐級の職員を対象として、自分の役割を再認識してもらうことを目的に、市長就任以来実施しております未来トークに加え、総務部長による研修も実施いたしました。

 今後も、様々な課題解決や新たな政策を展開するため、職員と積極的にコミュニケーションを図り、市役所の潜在的な力を余さず発揮するための体制づくりに取り組んでまいります。

 

 続きまして、本市が現在推進いたしております主な取組の進捗状況等につきまして、報告させていただきます。

 

 まず初めに、小学校再編についてであります。

 去る8月25日、現在の南小松島小学校敷地に建設予定であります(仮称)新小松島小学校施設整備における、PFI法に基づいた実施方針と要求水準書(案)を公表させていただきました。

 この実施方針及び要求水準書(案)につきましては、施設整備の事業者募集に先駆けて、小学校施設整備における本市の考え方や目的を、対象事業者の方々に知っていただき、御意見等を伺うことで、今後作成する募集要項等に、これらを反映させ、多くの事業者の参画を促すことをねらいとしたものであります。

 事業手法としましては、官民連携手法(PPP)の一つである、施設整備と維持管理を一体として発注するDBO方式での募集を行うこととしております。

 本市では初めてとなる方式であり、基本設計、実施設計から校舎等の建設工事、既存校舎の解体、外構等の整備、それに続く維持管理業務など、約20年の長期にわたる取組となります。

 こうしたことを考慮のうえ、幅広いノウハウを持つ多くの事業者に応募していただけるよう、募集における事前段階として、実施方針等に関する事業者説明会や現地説明会などを実施します。

 また、施設整備と並行して、学校教育の方向性や通学路、制服等のあり方については、引き続き、学校再編準備会議や関係者の皆様方に参画していただく中で、一つひとつ課題を解決し、よりよい学校運営の実現を目指してまいります。

 

 続きまして、一般廃棄物中間処理施設整備事業についてであります。

 新ごみ処理施設の整備に向けた検討状況につきましては、先の6月定例会議において、処理方式として、燃やせるごみについて、焼却を行わず、微生物の働きによりごみを発酵、乾燥処理する「好気性発酵乾燥方式」が選定されたことや、施設整備候補地に関し、二次選定までを行い、市内4か所の区域をお示しした旨を報告申し上げたところでありますが、その後、先月25日に開催されました「第3回小松島市ごみ処理施設整備手法等検討委員会」において、候補地の三次選定が行われ、現地踏査による現況確認や、概略施設配置の検討等に基づく総合評価の結果、最終候補地として「芝生町・田野町周辺」区域が選定されました。

 検討委員会では、11月末を目途に「新ごみ処理施設整備基本構想」(素案)を取りまとめ、市に答申いただく予定となっております。

 本市といたしましては、速やかに周辺住民等に対する説明会を実施するなど、施設整備に向けた事業理解の醸成に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、先月29日には、勝浦町の野上町長が来庁され、本市が検討を進めている一般廃棄物中間処理施設の整備に関し、勝浦町を含めた広域行政として取り組んでほしいとの要望をいただきました。

 勝浦町とは、徳島市を含む6市町での広域ごみ処理協議において、ともに協議を続けてきた関係であり、現状として可燃ごみの処理業務を本市が受託しているという状況もありますことから、広域行政として取り組むことについて検討を行うよう担当課へ指示したところであります。

 今後におきましても、事業の進捗状況等について、適宜、議会への報告、市民の皆様への周知をさせていただくとともに、施設整備に向け、鋭意取り組んでまいりますので、御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 続きまして、雨水・浸水対策についてであります。

 公共下水道による金磯第二排水区の浸水対策事業につきましては、金磯南雨水ポンプ場まで雨水を流下させる雨水排除計画に基づく水路整備を進めるため、排水区内の金磯町字南弁天前の一部区間において、雨水排水路の築造工事に着手いたしました。

 小松島飛行場周辺対策事業の和田島地区につきましては、令和4年度に、雨水排除の基幹施設となるポンプ場施設のポンプ棟の建設工事が完成したことに引き続き、ポンプ場設備及び沈砂池設備の機械設備工事の施工を進めているところであります。

 今後につきましては、先般、令和5年第5回臨時会議におきまして、工事請負契約の締結をお認めいただきました、電気設備工事に着手したところであり、和田島ポンプ場の一日も早い供用開始に向け、計画的な整備に取り組んでまいります。

 また、日の出内水地区につきましては、令和4年度に、ポンプ場施設関連工事及び放流渠築造工事が完成し、本年3月よりポンプ場施設の運転を開始いたしました。現在、同排水区域において、水道の配水管布設替工事と流入渠の築造工事に着手し、着実に整備を進めているところであります。

 今後につきましても、洪水被害の低減を図り、安心・安全な暮らしの実現に向けた取組を推進してまいります。

 

 続きまして、四国横断自動車道の整備についてであります。

 新直轄方式による国の事業として、現在、本市の各地区において、高速道路の上部工やトンネル掘削工事などの施工が進められるなど、生活の利便性向上や経済の好循環などをもたらすといわれる、高速道路のストック効果の早期発現に向け、取り組んでいただいております。

 こうした中、先月21日には、後藤田徳島県知事や関係市町の首長の皆様とともに、斉藤国土交通大臣や井上財務副大臣をはじめ、関係省庁などを訪問し、私から、本市の現状を直接説明した上で、一刻も早い供用開始が実現されるよう、積極的に要望を行ってまいりました。

 今後におきましても、国、県との連携を強化し、引き続き、円滑な事業推進に全力で取り組んでまいります。

 

 続きまして、本市産品の販路拡大に向けた取組についてであります。

 本市はこれまで、関西のみならず、首都圏などにおいて「小松島産はも」や「和田島ちりめん」など、国内外に誇れる小松島産品のブランディング強化に繋がる取組を進めてまいりました。

 しかしながら、現在、農林水産業者や食品事業者等を取り巻く環境は、コロナの影響が落ち着き始めたところに、急激な原油価格・物価高騰の影響を受け、再び苦境に立たされている状況です。

 本市といたしましては、こうした生産者、事業者の方々の苦境の打開を図るためには、全国の店舗や消費者の皆様に向け、より一層の認知度向上及び地域資源を活用した新たな商品開発、販路開拓などを目指した取組が重要であると考えております。

 こうした認識の下、本市では昨年度に引き続き、一昨日、昨日と2日間にわたり開催された、北海道函館市の「はこだてグルメサーカス2023」に参加する中、私も現地に赴き、本市の特産品のPR活動を展開してまいりました。

 また、イベント開催前日の今月1日には、函館市の大泉市長と会談を行い、「今後、様々な地域間での交流や連携を深めていきたい」と強くお願いしてまいりました。

 今後におきましても、こうした交流などを大切にし、可能な限り、私自身が県内外のイベントやフェアに赴き、「トップセールス」に積極的に取り組んでいく考えでありまして、こうした機会を最大限に活かしながら、地域の魅力を埋没させることなく、効果的な情報発信・販売促進活動を行ってまいります。

 

 続きまして、小松島「逆風」ハーフマラソン開催に向けた取組についてであります。

 11月5日に開催する予定としております第3回大会は、本市では初の試みとして、開催経費の一部を、ふるさと納税で募る「ガバメントクラウドファンディング」に挑戦しております。

 ガバメントクラウドファンディングとは、自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄附金の「使い道」をより具体的にプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した方から寄附を募る仕組みです。

 小松島「逆風」ハーフマラソン開催事業は、単なる市民の皆様の健康づくりに終わるものではなく、市を挙げた「スポーツ」×「健康」の取組として、地域活性化の契機にもなるものと考えております。

 持続的なマラソン大会の運営を図るため、目標金額を100万円と設定し、大会開催の前日となる、11月4日まで、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で寄附を受け付けていますので、是非ともこのプロジェクトを多くの方に知っていただき、御支援、御賛同くださるよう、よろしくお願いいたします。

 今後も、小松島「逆風」ハーフマラソンが他のマラソン大会にはないオリジナリティあふれる大会として、関係するすべての皆様に、「また参加したい」「また応援したい」と思ってもらえる運営を目指してまいります。

 

 最後に、「株式会社がんばろう徳島」との連携協定締結についてであります。

 先月4日、徳島県初の男子バスケットボールB3リーグに参入する「徳島ガンバロウズ」の運営を行う、株式会社がんばろう徳島との間で、スポーツによる元気で健康な地域づくりの推進や子どもの健全な育成を図ることを目的とした連携協定を締結いたしました。

 協定締結日には、市内中学生と徳島ガンバロウズの選手との交流を深めるため、小松島中学校において、「バスケットボールクリニック」が開催されました。

 参加した生徒の皆様が真剣な眼差しで選手からのアドバイスを聞いていたのがとても印象的でありました。

 今月9日には、徳島ガンバロウズが同校の体育館にて一般公開練習を行います。御観覧は先着順となりますが、開幕戦が迫るチームの練習の様子をお近くで御覧いただけるまたとない機会ですので、是非、お申し込みのうえ、足をお運びください。

 なお、詳細につきましては、広報こまつしま9月号や市のホームページ等よりお知らせすることとしております。

 さらに、連携交流事業の一環として、来月6日、7日の2日間、アスティ徳島にて開催される、ガンバロウズの開幕戦に、チームの御厚意により、市内の小中学生と高校生それぞれ200名ずつ、合計400名を無料で招待いただけることになりました。

 今後におきましても、株式会社がんばろう徳島や徳島ガンバロウズと連携しながら、選手と子どもたちの交流イベントや公開練習等をはじめ、スポーツを通じた子どもたちの教育の充実、市全体の健康づくりやにぎわいづくりを推進してまいります。

 

 本市の主な取組及び事業の進捗状況等は、以上のとおりであります。

 

 それでは、本日提出いたしました議案及び報告案件の主なものにつきまして説明いたします。

 本定例会議には、令和4年度決算認定に係る議案9件、令和5年度補正予算議案1件、条例議案4件及び単行議案2件の議案計16件、並びに報告8件を提出いたしております。

 議案第81号の令和5年度小松島市一般会計補正予算(第6号)につきましては、歳入歳出とも4億320万5千円の追加補正であります。

 歳出の主なものといたしましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源として、物価高騰に伴う子育て世帯の負担軽減を図るため、市内小・中学校に通う児童・生徒の給食費を来月から半年間無償化するとともに、市内にお住まいで市外小・中学校に通う児童・生徒については、学校給食費相当分として1人当たり3万円を給付するための事業や、高齢者が利用する在宅サービス事業所等に対し、送迎用車両の燃料費を補助する事業について予算化しました。

 また、今月20日から始まる新型コロナワクチンの秋開始接種に要する費用や、現在、立江地区において整備を進める複合施設の外構工事に関する予算などに所要の補正をいたしております。

 これらによりまして、当初からの予算総額の累計は170億2千568万1千円となっております。

 その他の議案及び報告案件につきましては、お手元の議案書等に記載のとおりでありますので、御覧いただきますようお願い申し上げます。

 よろしく御審議のうえ、原案どおり御賛同賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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